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2009年12月29日火曜日

チベットの聖者ミラレパの生涯

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ミラレパはお金持ちのお坊ちゃんとしてチベットに生まれました。幼名をトゥーパガといいました。

父と母と妹との四人家族で、その地方で名の知れた大富豪でしたが、ミラレパが七歳のころ、父が他界しました。
父は遺言を残していたにもかかわらず、貪りの強い叔父と叔母が、一家の財産をすべて奪い取りました。そしてそれのみならず、残されたミラレパの一家を、奴隷のように扱ったのです。
昨日まで良い服をして良い暮らしをしていたミラレパ一家は、今やぼろをまとい、奴隷のように働き、物乞いによって食を得るという暮らしになってしまったのです。
復讐を誓ったミラレパの母は、ミラレパに魔術を習いに行かせました。ミラレパは母の望みどおりに魔術を習得し、魔術によって叔父叔母の子供や親戚や仲間たち35人を殺し、復讐を果たしたのでした。叔父と叔母だけは見せしめのために生かしておきました。


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しかしこの復しゅう成功の後、ミラレパの中に、悪業を犯してしまった後悔の念と、真理を求める強い思いがわきあがってきました。そして魔術の師匠の紹介で、ミラレパはまず、ゾクチェンの師匠であるロントン・ラガのもとに弟子入りしました。
ロントン・ラガは、ゾクチェンの教えを説明する際、「恵まれたカルマを持つ者は、この教えを聞くだけで成就を得る。瞑想の必要さえない」という表現を使いました。これには深い意味があったのですが、まだ教えを理解していなかったミラレパはこの言葉を文字通り受け取ってしまい、

「恵まれたカルマの私は、瞑想しなくても成就できるのだ!」

とうぬぼれてしまい、瞑想もせずにただ寝て時を過ごしました。
見かねたロントン・ラガは、ついにミラレパにこう言いました。

「お前はここに来たとき、自分を大罪人だと言ったが、それは正しかったようだな。私にはお前を成就させることはできない。
さて、ロタクという地にマルパという偉大な師が住んでいる。その方の下へ行け。お前は彼とカルマ的な縁があるのだ。」

マルパという名前を聞いた瞬間、ミラレパの髪の毛は逆立ち、戦慄が走り、目から自然に涙が溢れ出しました。前世からの縁がよみがえったのです。

マルパの生涯

マルパはチベットのロタクというところで、一〇一二年に生まれました。
子供のころのマルパは大変乱暴でかんしゃく持ちだったので、両親は彼を仏教の師のもとに預けました。マルパはドクミという師のもとでインドの言葉や初歩的な教えなどを学びましたが、教えの深い部分をドクミが教えてくれなかったので、マルパは自らインドに行く決意をしました。

マルパは両親の財産の自分の取り分を強引に手に入れ、そのお金でインドへと旅立ちました。
このころは、インド仏教のチベットへの輸入が盛んに行なわれていた時期で、マルパ以外にも多くのチベット人が、教えを求めてインドに旅していました。
しかしマルパは、他の学者たちとは少し違った道をとりました。学僧ではなく、ナーローという密教行者の弟子になったのです。ナーローはもとはインド最大の僧院であるナーランダー僧院の僧院長として大変有名でしたが、その地位を捨て、僧院を去り、密教行者ティローの弟子になった、いわば異端者でした。

ナーローはマルパを弟子として受け入れ、多くの秘法を伝授しましたが、自分が教えるだけではなく、他の何人かの密教行者の下へマルパを送り出し、教えを受けさせました。マルパはそれらの多くの教えを学び、研究し、修行し、成就し、自分のものとしていきました。
この最初のインドへの旅において、マルパにはニュという名前のライバルがいました。彼は別の師のもとにつき、いろいろな教えを学んでいましたが、その知識においても、成就においても、マルパのほうが優れていました。そこで嫉妬したニュは、チベットへの帰りの旅中において、事故に見せかけて、マルパがインドから集めてきた大事な経典を、すべて河に投げ捨ててしまったのです。

マルパは、苦労して集めた経典が消えてしまって、一瞬悲しくなりましたが、しかしそれら経典に書かれている秘儀はすべてマルパ自身がすでに会得していたので、そう思うと悲しみは消えました。このエピソードは、マルパが単にインドから経典をチベットに持ってきて翻訳しただけの学者というわけではなく、成就者だったことを示しています。

地・水・火・風・空の五大元素の色と意味


 インドやチベットでは、黄色、青、赤、緑、白の五色を、宇宙のさまざまな面を表す色として表現します。

たとえばこの宇宙は地・水・火・風・空の五大元素で作られるとされますが、これがこの五色に当てはめられます。また、密教の五仏とその一族、それらがあらわす智慧なども、この五色であらわされます。


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【地のエネルギー】

色: 黄色
意味:ラトナ(宝珠)の一族の色であり、平等心の象徴です。また、幸福を生み出す徳の力も表わしています。


【水のエネルギー】

色: 
意味:ヴァジュラ(金剛)の一族の色であり、純粋な信仰心や、「鏡のような智慧」を表わします。


【火のエネルギー】

色:
意味:パドマ(蓮華)の一族の色であり、アミターバ(阿弥陀如来)の智慧と慈悲を表わします。
チベット仏教もこの色をシンボルカラーにしています。


【風のエネルギー】

色:
意味:カルマまたは剣の一族の色であり、すべてを達成する強い生命エネルギーを表わします。


【空のエネルギー】

色:
意味:ブッダの一族の色であり、すべてを統合した真理の世界を表わします。



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プラヘーヴァジュラの生涯

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プラヘーヴァジュラは、人間の姿をとって地上に現われた、最初のゾクチェンの師です。

プラヘーヴァジュラは、ウッディヤーナという地の王女の息子でした。それは一部の学者の説によると、現代のパキスタンのスワット谷の辺りであるとも言われています。

ウッディヤーナは、高度な仏教の教えやタントラの教えの、最も重要な源でした。そしてそこはエネルギーに満ちたダーキニーの地であり、また宝石と森と野生動物に満ちた場所でした。そこには、6108の小さな寺院に囲まれた、「喜びの塚」と呼ばれるすばらしい寺院もありました。すべては大きな繁栄の中にありました。

そこからほど近いところにある砂に覆われた島で、ウッディヤーナのウパラージャ王とアーローカバースヴァティ王妃の娘であるスダルマーという名の尼僧は、スカサーラヴァティという名の従者の女性とともに、粗末な草の小屋で、瞑想修行に没頭していました。

ある晩、彼女は不思議な夢を見ました。
夢の中で、白い顔をしたけがれのない男がやってきて、五つの仏陀の種字で飾られた水晶の壷を、彼女の頭に三度置きました。その壷は光のビームを発散し、彼女ははっきりと三つの言葉を見ました。

そしてその夢を見た十ヶ月後、多くの吉兆の印で飾られた息子が、彼女から生まれたのでした。
この子供は、ゾクチェンを伝達するために色界に現われたヴァジュラサットヴァの化身であるアディチッタの生まれ変わりでした。

子供が生まれたとき、スダルマーはおびえ、また恥じていました。

「父親がいないのに生まれてきたこの子は、悪魔以外の何物でもない!」

彼女はこう叫ぶと、その子を灰の中に投げ捨てました。

しかし賢い従者であるスカサーラヴァティは、この子は解脱した魂の化身であると、スダルマーに忠告しました。
するとその瞬間、不思議な音が聞こえ、光線が現われました。

ゾクチェンの系統

1、ヴァジュラサットヴァ(サマンタバドラーの報身)


2、プラへーヴァジュラ(ガラッブドルジェ)


3、マンジュシュリーミトラ

4、シュリシンハ

5、ヴィマラミトラ、ジニャーナスートラ

6、パドマサンバヴァ(グルリンポチェ)

2009年12月28日月曜日

十二縁起とは―昇順、降順で考えると良い

12縁起ってすごく重要な気がする。
わたしにとって、思索の最大のテーマである。

これは魂のプロセス、苦しみの原因というか、カラクリですよね。

ウィキではこう書かれている。

  1. 無明(むみょう、avidyaa) - 過去世の無始の煩悩。煩悩の根本が無明なので代表名とした。
  2. 行(ぎょう、saMskaara) - 志向作用。
  3. 識(しき、vijJaana) - 識別作用
  4. 名色(みょうしき、nama-ruupa) - 物質現象(肉体)と精神現象(心)。
  5. 六処(ろくしょ、SaD-aayatana) - 六つの感覚器官。
  6. 触(そく、sparSa) - 六つの感覚器官に、それぞれの感受対象が触れること。
  7. 受(じゅ、vedanaa) - 感受。
  8. 愛(あい、TRSnaa) - 渇愛。
  9. 取(しゅ、upaadaana) - 自分の求めるもののために馳求する位。
  10. 有(う、bhava) - 存在。
  11. 生(しょう、jaati) - 生まれること。
  12. 老死(ろうし、jaraa-maraNa) - 老いと死。



特に、昔疑問に思ったのが「行」。
いろいろ読むと、これって、つまりカルマのこと?って。
そうです。分かりやすくいうと、要するにカルマだって先生のお話で知ったときは、スッキリ、爽快!疑問が解けて腑に落ちた。

でも本当に分かるには、やっぱり悟るしかないですが、思索するのもまた楽しい。


【理解を深めるお話】

2009年12月26日土曜日

トンレン-チベットの瞑想







チベット仏教の瞑想方法に『トンレン』というのがあります。



これは、相手の苦しみを『黒いエネルギー』としてイメージしながら呼吸を吸って、今度は、自分の功徳を『白いエネルギー』にして相手に"全部"あげるように吐くんですね。

ヨガのお陰でこのトンレンを知りまして、先生が編み出した「トンレンの瞑想」応用編を、そのまま一年半くらい実践していました。というのも、実は始めた当時、会社のリーダーがちょっと、怖かったのです。彼がイライラしているときに話したり、報告したりするのが苦手で苦手で。「明日も怒られるなぁ。は~ぁ。」みたいな、頭では四無量心をやっても、心が恐怖している自分がいることに気づき、これはまずいなと思って、夜、徹底的にトンレンを実施してました。

すると、どうでしょう!

だんだんと怒られる事が楽しみになっていきました(笑)
否定されることにも意欲?が沸き、ミーティングでもそのリーダーに否定されることがわかっていながら、素直にチームにとって利益なると思うことを発言しました!
本当に全然、恐怖心はなくなりました。

だって、すべての人の怒られるカルマを私に来い!ってやっていたので、自分が怒られることなんて、苦じゃなくなっていたんですね。
さらにそのリーダーの、中間管理職の大変さがひしひし感じるようになって、彼と話すときは、「この人の苦しみが来ますように」とやっていたら、今度はそのリーダーが私に対する態度が明らかに優しくなっていました。

そして、この前チーム移動があって、このリーダーとは離れることになったのですが、同僚に聞いた話によると、そのリーダーは私のことを気に入ってたらしく、離れることを残念がっていたとのこと。驚きです。


人の心は不思議なもので、「嫌だ嫌だ」って、やっているうちは、嫌なことはなくならないけど、それを"歓迎"すると(「受け容れる」より強烈に)と嫌なことはなくなるんですね。

本当にトンレンの効果には驚くばかりです。

【トンレンに関する記事】


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