神から授かった意志という力を、神を知るというその本来の目的のために養い育てることが、人生の唯一の目的です。
われわれを創られた神は、われわれを苦しみから解放するために、われわれの意識の中に入ろうとして、一人ひとりの心臓を叩いて叫んでおられます。しかしわれわれは、なかなかそれに耳を傾けようとしません。『神はきっと、人間をおつくりになったことを後悔しておられるに違いない!』――私は毎日、神に、どうして人間をこのようにおつくりになったのかを尋ねています(私は心に思い浮かんだことは何でも神に話すようにしています。神も、私がそうして神に付きまとうのを喜んでおられます)。
すると神は、ご自分のおつくりになったものが完全でないことをよくご存知で、
『鉄を火の中で白熱するのは鋼にするためだ』
とお答えになります。つまり、痛めつけるためではない、ということです。
病気も困難も、われわれに教訓を与えます。苦しい経験はどれも、われわれを苦しめるためではなく、われわれの中にある不純物を燃やして天の家へ帰らせるために与えられるのです。神ほどわれわれの解放を心底望んでおられる方は他にいません。
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人はみな、一つの幸福が終わるたびに、いつまでも変わらない完全な幸福を与えてくれそうな別の何かを求めて、永遠の探求を続けています。この探求は、それを神に求め、神を見つけたときに終わります。神こそがその"別の何か"だからです。
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人生は過ぎ行くにつれて、その幻影は次々と消えていきます。そこであなたは考えます。
「人生とは一体なんだろう? 子供時代や若かったころの幻影が消えた後に、何が残っているのだろう?」
と。
真実の幸福は、この眉間にある霊眼の門の後ろにある聖なる意識の中だけにあります。
私は自分の人生から、眼に見えるこの世界を切り捨ててしまいました。それは、この世界がつまらないことをいかにも重大そうに見せかけてわれわれを幻惑するからです。
人は皆この幻惑の世界に住んで、隣の人に負けまいと見栄を張りながら生きています。
しかし、真の幸福は神の意識の中に住むことによってのみ得られるのです。あなたも試してごらんなさい。
――パラマハンサ・ヨーガーナンダ
【パラマハンサ・ヨガナンダ(1893-1952)】
1893年1月5日インド生まれ。米国に渡り一生をヨガの伝導に捧げた。
その著書『あるヨギの自叙伝』は、エルヴィス・プレスリー、ジョージ・ハリソン、アップルコンピュータ創業者スティーヴン・ジョブズたちの座右の書となり、ビートルズのサイケデリック・アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のジャケットに登場しているなど、世界中の霊性探求者たちに影響を与えた。1952年、マハサマディの瞑想に入り肉体を捨てたが、その肉体は死の20日後も腐敗しなかったという。
『あるヨギの自叙伝』に登場する"至福の聖者"は、ラーマクリシュナの弟子で『ラーマクリシュナの福音』の著者「M」こと、マヘーンドラナートである。