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2012年5月24日木曜日

”ラーマの思召し”

私の好きな話がある。
何か困ったときに思い出す。
すべては”ラーマの思召し”

『不滅の言葉』より

一信者「”ラーマの思召し”というのは、どういうお話でございますか?」
聖ラーマクリシュナ
聖ラーマクリシュナ「ある村に一人の機織職人が住んでいた。大そう信心深くて心掛けのいい人だったので、誰もが彼を信用して愛していた。この職人は市場にいって自分の織った布を売っていた。買い手が値段を聞くとこう言う——『ラーマの思召しで糸の値段が一ルピー。ラーマの思召しで工賃が四アナ。ラーマの思召しで、もうけが二アナ。だから布の値段はラーマの思召しで一ルピー六アナになりやす』。人々は彼を心から信用していたので、値切りもせずにすぐその金を払って布を買っていく。


ドゥルガー
熱心な信仰者だから、夕食食事をすませると、ドゥルガー女神を祀ってあるお堂に長いこと坐って、神を想い、称名讃歌をとなえるのが常だった。ある日のこと、夜も更けたがいっこうに眠くならないので、坐って時どきタバコをすっていた。するとそのとき、前の道を一群の盗賊が強盗しに行くために通りかかった。そいつらは荷物運びの手が不足していたので、その職人の家に入ってきて『おれたちといっしょに来い』といって引っ張って行った。それからある家に押しいって強盗を働いた。いくつかの品物を機織職人の頭にのせて運ばせた。そこへポリスがやってきて、盗賊どもは皆いち早く逃げたが、職人だけは頭に盗賊を乗ったたまま捕まった。その夜、彼は警察に交流された。
翌日、職人は署長の前に引き出された。村中の人が事件を知って集まってきたよ。そしてみんな口をそろえて言った——
『署長さま! この人が盗みをするはずがありません』
署長は職人にきいた——
『どうしたんだね、どういうワケなのか、昨日からのことを話してごらん』。

職人は答えた——
ラーマ
署長さま! ラーマの思召しで、あっしは昨晩おまんまを食べやした。そいから、ラーマの思召しでドゥルガーの前に坐りやした。ラーマの思召しで夜が更けていきやした。あっしはラーマの思召しで、あの御方のことを想い、称名したり、讃歌をうたったりしておりやした。そんとき、ラーマの思召しで強盗の一団がとおりかかったんでごぜえやす。ラーマの思召しで、あいつらはあっしの手をつかんで引っぱっていきやした。ラーマの思召しであいつらは一軒の家に押し入りやした。ラーマの思召しで、あいつらはあっしの頭に荷物をのせやした。ちょうどそのとき、ラーマの思召しでポリスの旦那がおいでなすって、あっしは捕らえていただきやした。はい。
 それからラーマの思召しで留置場に入れていただきやして、そいで今朝はラーマの思召しで、こうして署長さまに……
 信仰あつい正直な男であると看てとって、署長は職人を釈放するように命じた。彼は家へかえる途中、仲間のものに
ラーマの思召しで釈放された
と話していたそうだよ。
 



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