最新記事

ラベル ミラレパ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ミラレパ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年7月1日水曜日

「与えること」だけが、心に残るただ一つの思いとなる。



スポンサーリンク


女性の出家修行者たちはミラレーパに、自分自身の道はどうやったら見つかるのかと尋ね、更なる教えを懇願しました。答えてミラレーパは歌いました。

わがグル、
慈悲者に敬意を払います。

どうか御身の慈悲の波を
お与えください。

願わくば行者の私に、
快く瞑想させたまえ。

あなた方、
新しい世代の子供たちは
欺きに満ちたカルマが
はびこる町に住んでいるが
ダルマの輪はいまだ切れていない。

あなた方はブッダの
教えを聞いたが故に
こうして私のもとへやってきて、
迷いの道を避けたのだ。

常に功徳を積みつづける行によって
帰依の素質が育つ。

やがてそれによって
祝福の波があなた方に入り
類似と真の悟りが育つ。

しかしあなた方が
たとえこれらのすべてを
行なったとしても
完全に習得することがなければ、
ほとんど役には立たない。

あなた方を気の毒に思い
私は今、この教えを授けよう。

よく聴け、若き友たちよ。

ひとりでひっそりと住む時は
町の楽しみを思ってはならない。

さもなくば
悪魔があなたの心に生じるだろう。
心を内に向けよ。

そうすれば、
あなた方は道を見つけよう。

忍耐と決意を持って瞑想するときは
輪廻の邪悪なものや
いつ訪れるかわからない
死を思い浮かべ
世間の楽しみを
渇望しないようにせよ。

そうすれば、
勇気と忍耐が心に芽生え
あなた方は道を見つけよう。

修行の深遠な教えを
懇願するときは学識や、
学者になることを求めてはいけない。

さもなくば、
現世の行為と欲望が力を奮い
そして、この生そのものが浪費される。

謙虚でつつましくありなさい。

そうすれば、
あなた方は道を見つけよう。

瞑想中にさまざまな体験が訪れても
得意になって、それを吹聴してはならない。

さもなければ、
女神や母なる神をかき乱す。

怠惰になることなく瞑想しなさい。

そうすれば、
あなた方は道を見つけよう。

グルに従うときは
グルの長所や欠点を
見ようとしてはいけない。

さもなければ、
欠点の山を見つけてしまうことになる。

信と忠実さによってのみ
あなた方が道を見つけよう。

ダルマの兄弟姉妹と
聖なる集いに出るときは
先に並ぼうと考えてはいけない。

さもなくば
憎しみと渇望を生起させ
戒にそむくだろう。

自己を調和させ、互いに理解し合え
そうすれば、あなた方は道を見つけよう。

村で施し物を乞う時は
偽りや搾取のために、
ダルマを使ってはならない。

さもなくば、
自分自身を低い道に落とすことになる。

正直で誠実でありなさい
そうすれば、あなた方は道を見つけよう。

しかし何にもまして、いつでもどこでも、
決して思いあがったり、
うぬぼれたりしてはならない。

さもなければ
自己を過大評価して、
偽善で押しつぶされてしまうだろう。

欺きと偽りを捨て去れば
あなた方は道を見つけよう。

 道を見つけた人は、恵み深き教えを人々に伝えられる。
 こうして自他を助け、
 「与えること」だけが、心に残るただ一つの思いとなる。

―ミラレーパの十万歌



スポンサーリンク

2014年12月1日月曜日

悪魔を想うことなくば


 
内なる心に
悪魔を想うことなくば
群がる悪魔の軍勢を恐れることなし
肝心なのは 内なる心を鎮めること・・・・

恐れと望み入り混じる 険しい道に
悪魔たちは待ち伏せる・・・・

――ミラレパ

2014年3月14日金曜日

集中と熟考

ああ、信仰心厚き天女よ、おまえたちがダルマを修めようと考えるなら、集中と熟考をおこなうべきである。
外界の出来事を放棄することは、おまえたちの飾り。

ああ、外的世界のとらわれからの救済を、心にとめておくがよい。
沈着と注意深さによって、平穏にあらねばならぬ。
栄光とは、心と言葉が同じであること。
栄光とは、多くの行為の放棄。

おまえたちの心を乱す、不愉快な状況に会うならば、自らを見張って油断せず、己を諭せ
「怒りの危険はすぐそこにやってきている」と。

心を動かす富と遭遇するとき、自らを見張って油断せず、「愛著の危険がやってくる」と、自らを統御しなさい。

感情を害する、無礼な言葉を耳にすることがあれば、自らを見張って油断せず、己に気づかせよ。
不快な響きは幻聴に過ぎぬ」と。

仲間と交際するときは、己を注意深く見張って、自らに諭せよ。
嫉妬心を心に起こさせるな」と。

奉仕や布施に精進するときは、用心して己に諭せよ。
心せよ、うぬぼれが心の内に生じないように」と。

常に、あらゆる方法で、自らを見張り、常に、内在する邪悪な思いに打ち勝とうとつとめよ。
日常の行為の中で、いかなるものに遭遇しようとも、空と幻という本性について熟考しなければならぬ。

ここに幾百人の聖者や学者が集おうともこれ以上のことを語ることはできないであろう。
あなた方、皆に幸福と繁栄がありますように。
あなた方、皆の心が喜びに満ちて、ダルマの修行に精進できますように。


―ミラレパ「ミラレーパと鳩」より

2014年3月2日日曜日

心の解放と精神の導師

ミラは困惑の極致だった。そんな彼をみかねたグルの妻は、彼をラマ・ゴクパのもとに送った。ゴクパは彼になにがしかの教えをあたえた。しかし、なんの進歩もなかった。
ラマの許可がなければ、どんな教えも力をもたないことが、これでわかった。ゴクパは、ミラをマルパのもとに送りかえした。数日間は、何事もなく過ぎた。

しかし、ある儀式がおこなわれている最中に、マルパはその場にいあわせた者のすべてを、手ひどくしかりつけた。この中にはラマ・ゴクパも混じっていた。ミラはラマの怒りの意味を理解して、深い絶望におそわれた。自分の存在が、ゴクパや奥さんにとんでもない迷惑をかけている。そう思った彼は、絶望のあまり自殺をはかった。

ラマ・ゴクパが自殺を止めた。そのとき、ようやく、マルパの怒りが静まった。グルはミラを身辺に呼び寄せた。ミラはこのとき、グルから「ミラ・ドルジェ・ギャルツエン」という、新しい名前をもらって、生まれかわった。ミラには、デチョクの密教の教えがあたえられ、ラマの力をもって、六十二の守護神が、ミラの前に出現した。こうして、ミラレパは、マルパからすべてのイニシエーシヨンと教えを、もらうことができたのだ。ミラレパはあらゆる苦しみ、悩み、疑いとたたかった。マルパが弟子にあたえた試練は、まったく不条理なものであったが、それに従いぬくことによって、ミラレパはとてつもない、内面の成就をなしとげることができたのである。

昔のグルと弟子の関係は、こんなものだったのだよ。二人の心が完全にひとつのものとなるまで、グルはいつまでも弟子に試練をあたえ続けたのだ。グルにちょっとでも、嘘を言ってはいけないし、裏切ってもいけない。それはあなたの中で、たちまちにして、巨大な罪へとふくれあがってしまうだろう。

あるとき、偉いヨーギの弟子が、たくさんの人々の前で、立派な説教をしていたことがあった。その場に、グルであるヨーギが、乞食のかっこうをしてあらわれた。弟子はそれに気がついたけれど、まわりにいっぱいの人がいるので、その中で乞食のかっこうをしたグルにひざまずくのが、恥かしかった。それで気がつかないふりをした。夜になって、弟子はグルのもとを訪れ、その前にひれ伏した。

グルが言った。「おまえはどうして、さっき私にひざまずかなかったのだい」

弟子が言う。「いいえ。私はまったく気がつきませんでした」

そう言い終わるが早いか、彼の目玉がはずれて、床に落ちた。あわてた弟子は、グルに大あやまり、やっと目玉をとりもどした、という、これはいかにもインド風のお話だ。

こういう話を通して、何を言いたいのかは、あなたにはわかっていることだろう。今のような時代には、真実の教えに出会い、それを学ぶことができるなど、ほとんど奇跡に近いことなのだよ。その教えをあなたに伝えてくれるグルの存在の重要さが、その一事からでも理解できるだろう。昔の人は、そういう幸運に恵まれたことを、心から感謝して、あらゆる困難に耐えて、教えを求めたものなのだ。私があなたに求めているのも、そういう心構えなのだよ。

心の解放と精神の導師「改稿 虹の階梯―チベット密教の瞑想修行 (中公文庫)

ヴァジュラ・ダラを中心として、ティローパ、ナローパ、マルパ、 ミラレパ、ガンポパなどがとり囲む、カギュ派の相承

2009年12月29日火曜日

チベットの聖者ミラレパの生涯

このエントリーをはてなブックマークに追加

ミラレパはお金持ちのお坊ちゃんとしてチベットに生まれました。幼名をトゥーパガといいました。

父と母と妹との四人家族で、その地方で名の知れた大富豪でしたが、ミラレパが七歳のころ、父が他界しました。
父は遺言を残していたにもかかわらず、貪りの強い叔父と叔母が、一家の財産をすべて奪い取りました。そしてそれのみならず、残されたミラレパの一家を、奴隷のように扱ったのです。
昨日まで良い服をして良い暮らしをしていたミラレパ一家は、今やぼろをまとい、奴隷のように働き、物乞いによって食を得るという暮らしになってしまったのです。
復讐を誓ったミラレパの母は、ミラレパに魔術を習いに行かせました。ミラレパは母の望みどおりに魔術を習得し、魔術によって叔父叔母の子供や親戚や仲間たち35人を殺し、復讐を果たしたのでした。叔父と叔母だけは見せしめのために生かしておきました。


スポンサーリンク


しかしこの復しゅう成功の後、ミラレパの中に、悪業を犯してしまった後悔の念と、真理を求める強い思いがわきあがってきました。そして魔術の師匠の紹介で、ミラレパはまず、ゾクチェンの師匠であるロントン・ラガのもとに弟子入りしました。
ロントン・ラガは、ゾクチェンの教えを説明する際、「恵まれたカルマを持つ者は、この教えを聞くだけで成就を得る。瞑想の必要さえない」という表現を使いました。これには深い意味があったのですが、まだ教えを理解していなかったミラレパはこの言葉を文字通り受け取ってしまい、

「恵まれたカルマの私は、瞑想しなくても成就できるのだ!」

とうぬぼれてしまい、瞑想もせずにただ寝て時を過ごしました。
見かねたロントン・ラガは、ついにミラレパにこう言いました。

「お前はここに来たとき、自分を大罪人だと言ったが、それは正しかったようだな。私にはお前を成就させることはできない。
さて、ロタクという地にマルパという偉大な師が住んでいる。その方の下へ行け。お前は彼とカルマ的な縁があるのだ。」

マルパという名前を聞いた瞬間、ミラレパの髪の毛は逆立ち、戦慄が走り、目から自然に涙が溢れ出しました。前世からの縁がよみがえったのです。

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...