2011年インド修行旅行記<目次>
- 成田市のネットカフェ NARITA
- 出発からデリー Delhi
- リシケシ Rishike
- ウッタラーカンド(インド北部)豆知識 Uttarakhand
- ウッタルカーシー Uttarkashi
- インドの土砂崩れ The mudslide of India
- ハリドワール Haridwar
- インド修行旅行記 ハリドワールからデリーに戻る
- 再びデリーにて
- 「ヴリンダーバン」ゴーバルダナ山を探して
- マトゥラー~ヴリンダーバンの森
「ヴリンダーバン」ゴーバルダナ山を探して
8月21日デリーから南に2時間ほどの行ったところにヴリンダーバンがある。
そして今回の旅行で、私が一番行きたかった町だ。
また、ただの旅行ではなく、インドの聖地は師と行きたいと思ったいたので、この話が来たときは願望が叶って「キター!!」と思った。
さて、町についた私たちは、まず最初にゴーヴァルダナを探しに向かった。
ゴーバルダナというのは、クリシュナの幼少の物語に出てくる有名な山で、クリシュナが村人を守るために「持ち上げた」山である。
こんな話がある。
「ある日、村の人々は、インドラ神を崇拝し、祭の準備をしていた。
しかし、クリシュナは、インドラ神の高慢をくじく為に、森と山のおかげで生活している村の人々に、牡牛とバラモンとゴーヴァルダナ山を敬い犠牲祭をする事を提案し、インドラ神の崇拝を中止した。
インドラ神は、クリシュナの提案で、自分に対する崇拝が中止された事を怒り、村に大雨を降らした。
クリシュナは、ゴーヴァルダナ山を引き抜き、片手で傘のように頭上にさしかけ、人々、家畜を、その下に避難させた。
ゴーバルダナ山を持ち上げるクリシュナ |
このゴーヴァルダナがあるのはヴリンダーバンだと思っていたが、ヴリンダーバンからまだ南西に位置する町にバスで行った。
炎天下の中、大型のバスが入れない路地からスタートし、ゴーバルダナを探して歩いた。
私は、前日から顔がただれてきてて、腫れ、(たぶん、日焼け後に日焼け止めを塗ったせい?)さらに3キロほど歩いたところで、汗で顔全体がヒリヒリすごく痛くて、歩くペースが非常に落ちきた。
あと7キロは歩くという話を聞いたところで歩くのを断念した。
この日差しの中では顔がもっとひどくなると思い、カメラをきょうこちゃんに託し私も含め4人は、リキシャでラーダクンドを回ることに。
見渡す限り平地・・・。
一体どこにゴーヴァルダナ山はあるんだろう?って探したけど、行けども行けども、平地。丘すらなかった。
途中、リシキャを止めてもらいクリシュナが入ったラーダクンドで足だけ沐浴した。
それから牛が泳いでいる川通り過ぎ、出発点の町のほうに一時間半くらいで戻ってきた。
リキシャを降りてお金を払うと、「交渉したお金は違うじゃないか、もっとくれ!」と言ってきて、トラブルになったり、トイレに行くと、案内してくれた男性がトイレの中まで入っこようとしたりと、ちょっと怖い目にあったりもして、バスに戻った。
まだまだみんな帰ってこなさそうだったので、バスの近くでうろうろとして、すぐ近くのチャイ屋でチャイを頼んだ。
町からちょっと外れたチャイ屋には7、8人のインド人がいたが、外国人が珍しいのかジロジロ見られ、英語がちょっと入ったヒンディ語で、ハイテンションな奇声をあげるオーバーリアクションのインド人にいろいろ話かけられた。だが、さっぱり内容はわからなかった。でも一応、名前を聞くと「シャビー」といった。
チャイ屋には子供もいたので、鞄に入ってたお菓子をあげて、iphoneを出して、「クリシュナ クリシュナ」の動画を見せて、「クリシュナが好きだ」とネックレスのクリシュナも見せて話した。
他のインド人もiphoneを見たり写真を撮ったり、ちょっと和やかな雰囲気に。
バイクに乗ってゴーヴァルダナへ
ハイテンションインド人、シャビーがヒンディー語で話しかけるも私はまったくわからず、ほぼ推測で返答。「会話が成立してないだろうな~」とは思ったが、そのうちシャビーがバイクのハンドルの回す動きをして、「行こう」みたいな合図をした。「ノーサンキュー」と断ったけどすぐに、どっかからバイクを持ってきて後部座席をバンバン叩きながら、「乗れ」見たいなジェスチャー。かなりバンバン叩いてた。
ちょっと怖いし、「そんな見ず知らずの人のバイクに乗らないよー」と思い、
「時間がない。友達が戻ってくるから」
と断る反面、実は、私は16歳から21歳までバイクを乗っていたので、内心は乗りたくてしょうがなかった。
「私、運転できるから、ちょっと貸してくれない?」
と言いそうになったけど、このインドの車社会を見たら、牛や対向車、人を切り抜けながら運転する自信がなく、しかも路面は砂が多いから転ぶ自分が思い浮かび、言うをやめた。
でもやっぱりバイクには乗りたくて、迷った挙句・・・結局私は後ろに乗ることにした!
すごい、いきよいで、夕日のほうに向かって走っていく。
きれいな夕陽
風を感じる..
もう、気分はサイコーだった!
それからUターンをして今度は街に向かって走っていった。
町中の人が歩く狭い路地をに入り、行きかう人をうまくかわしながら、道はよくわからなかったが、数分走った。
進む先にはT字路になり、寺院の池のような、池を取り囲んだ塀のところで止まった。
インド人はそこでバイクを止め、降りると、夕日の方角を指さして、
「ゴーバルダン!」と言った・・・!
「え?ゴーバルダナ」と日本語で聞き返したが、もう一度
「ゴーバルダン」と確かにいった。
こんなところに?と半信半疑な私。
さっき歩いた場所(ここから10キロくらい行ったところ)にあるんじゃないの?と思った私は、信じられなかった。
でも確かに指さす方向は、建物があるが、盛り上がって丘のようにも見える。
残念ながら写真を撮るのを忘れ、写真がないが、後から地図で見ると、
その場所と思われるところに「ゴーバルダン」と記載はあり、私が見たのはゴーバルダナなのか―
その後もバイクで寺院を案内してくれ、混んでいる寺院の中に入り礼拝。
お布施をいくらにしようかなーと財布を開け、一瞬考えているその隙に、シャビーは財布から100ルピーを抜き取り、お布施をしてしまった!
信仰心からなのか、よくわからないけど、100ルピー(しかも人のお金から)躊躇しない彼に、「ある意味スゴイ」と思った。
「行くよ!」と言わんばかり彼はすぐ外に出て、私も外に出ると、今度は寺院を写真にとりなよ!とジェスチャー。
目の前の道路は車やリキシャで、右から左から車が来て、写真をとるのが大変だったけど、ゴーバルダナを持ち上げるクリシュナの姿がある寺院を撮影できた。
その後またチャイ屋に戻り、バイクを降り、チャイ屋のみんなに
「タンネワード!シュクリワード!」
と合掌をしてお礼を言いバスに戻ってきた。
(シャビーはお金を要求するわけでもなく、上機嫌でチャイ屋人たちに報告してた)
見ず知らずの人で、危険かも知れない賭けだったが、ゴーバルダンの行きたい願望や、バイクに乗りたい願望を満たしてくれた。
今日、顔が腫れたことは、きっとクリシュナのプレゼントだったのかもしれない。とても印象深い出来事だった。
そして数時間後、すっかり辺りが暗くなった頃に、みんなが戻ってきて、
宿泊先の宿に到着したのはだいぶ遅かった。